素描

あわのような思いを記録していくところ

こんにちは新しい街

私は明日、新しい街で生活をはじめる。
三十路にしてやっと自立。遅すぎた転機。
 
就職したてのころ、一度父親の転勤でやむにやまれず一人暮らしをしたことがあるのだけれど
1年そこそこで会社を辞めて家族の元へ戻ってしまった。
初めての一人暮らしのときは社食と干し芋で生活してて、10キロ痩せたことと、
なんだかんだ月一ペースぐらいで実家に帰ってたことと
東海地方の片隅の街の駅の、裏寂しい路地裏に興味津々だったこととか(古き好き猥雑な昭和のかおり)、
地味ながらもゆるっとした生活を堪能していた。
仕事もバイトのような契約社員だったし。
歯がごんごんに腫れて口腔外科で簡易手術的なのをしたことと
アイロンでやけどした時と
常に金欠だったことくらいかな、一人を身にしみて感じたのは。
良くも悪くも考えなしだったし若かった。
 
 
それ以来、人生の9割を実家暮らしで過ごしてきたわたしが。
両親に帰省してきたこのわたしが。
 
あ、ほんなら一人暮らししよ。
物件探そ。
となったのは6月初め。
そっから人生初めてのひとり不動産屋めぐり。
自力物件探し。
あらゆる不動産屋さんからのメールや電話攻撃をかわし、
「広くて駅チカで築浅だから」という理由だけで、夜は1階のコンビニの軒先にヤンキーが溜まる繁華街のどまんなか(知らなかったけど路地入ったら風俗街・・・)のマンションの契約寸前まで行って、さらに言うと手付金まで払っちゃて弟に1ヶ月バカにされ続けたり(死ぬまで笑われるやつ・・)
優先順位が「とにかく会社まで近くて乗り換え無しで行けるとこ」という、大嫌いな仕事基準の思考に縛られてる自分に悲しくなったり
山あり谷ありしながらも1ヶ月で部屋が見つかりました。
 
明日はひっこし。
この街に住む。先走って市役所と郵便局で手続きを済ませてきた。
バスで巡る明日からのわたしの街。
 
実家にはこれからも時々顔を出すけれど、
実家ぐらしにはもう戻らないという不退転の覚悟であります。
 
親離れしたかった。
親の愛情は身に余るほど注いでいただいているけれど、
自立しないと私の人生だめになる。もう手遅れかもしれないけど。
 
ちょっとだけ親(特に母親)の愛が重すぎて。
心配性すぎるのが苦しくて、この先を考えた時に自由になりたかった。
 
ボーナスも貯金も露と消えたけど、踏み出せた。
 
 
リラックスできる自分だけの空間つくりたいな。