三十路の転職。心が折れる。
30も半ばを迎えて転職を考えている。
でも今の会社には報告してなくて、隠密行動中。
20代なら退職して退路を絶ってからの転職という選択もありだったかもだけど
30半ばにして貧乏貯金なし結婚予定なし恋人なし一人暮らしの私には、現職という保険がないとどうにも新天地に踏み出すことができない。
有給をちょこちょこ使いつつ、この一週間で何社か回ってみたものの。
派遣も視野に入れつつ探しているものの。
全然引っかかりもしないという現実。
例えば面接で好感触だった会社でも、実際スキルの話になるとうーん・・・となってしまったりだとか。一生懸命アピールしてるつもりでも、明らかに相手に響いてないのが分かってしまったりだとか。
今日は思い切って未経験の業種の会社にもアタックしてみたのだけれど、
「この職業にどんなイメージ持ってます?!」から始まって緩やかな圧迫面接(?)にくじけて肩を落として帰ってきた。
今の会社の職歴が長いのは、信用という面ではプラスになることもあるけれど、私はほとんど初めての転職活動だということもあり、とにかくスキル不足に加えて世間知らずだということを痛感した。
派遣社員だって厳しい。つなぎのバイトでさえ時給が良いというだけで狙ってみるとノルマがあったり膨大な知識量が必要だったりでレベルが高すぎる。
わたしは説明を聞いただけで「無理!」と思ってしまう。
きっといちから努力できない。年齢のせいにしちゃダメだけど、でも、挑戦する勇気がない。若さで乗り切れる年はとうに過ぎてしまったんだって今更ながら思う。
転職を考え始めて、今までいかにぬるま湯な環境で働いていたかが、よーくわかった。
自分が甘ったれだったということも、世間知らずだということも。
覚悟がなかったということもよくわかった。
今ではどんな仕事でも働いてる人すべてが尊くて自分より素晴らしい人に思える。
嫌なことつらいことしぬほどあっただろうけど、高校卒業してから定年までひとつの会社に勤め上げた父を心から尊敬する。
自分の働き場所を見つけるのは本当に大変だ。
でも今の会社でこれからも働き続けるのも、またしんどい。上司からのむちゃぶりも、後輩の愚痴も、全部私の中に溜め込まれていくけれど吐き出し口がなくて限界を感じる。
結婚、出産ラッシュで何度も何度もおめでとうと周りに言ってばっかりで、誰からもお祝いされることのない人生。上司と後輩の板挟みで逃げ場がない職場。会社の方向性やスピードにもついていけない自分がいる。
この毎日を抜け出したくて、それは転職じゃなくてもよいのかもしれないけれど、
やっぱ環境を変えるのには転職が一番なのかなと思っていたりもして、
でも全然うまくいかなくて、連敗ばっかりで、行くも戻るも辛い状況。
何かが少しでも変わるといいな。
しばらくもがくしかない。
がんばれ自分。
【読書記録】「帰ってきたヒトラー 上・下」/ティムール ヴェルメシュ/河出文庫
愚直であるということは、時にこんなにもおかしくも切ないものなのかと!!
笑いながら読んでたのに、最後の2行で涙が出てしまった。
自分の信念や国民にまっすぐで愚直で、それが現代では笑いものになってしまうけど、ヒトラーは気にもとめずに我が道をいく。
本当にこんな人だったのかなと思わせるような臨場感に引きこまれました。
真実はどうだったのか、あの時代をヒトラーがどう生きたのかをつぶさに知ることはもうできないけれど、
この本の最後のような気持ちになることもあったのかもしれない。
歴史上の人物がタイムスリップというよくある設定だけど、ヒトラーをチョイスしたところになんともいえない温かみ?を感じたなぁ。
時は流れた、ね。
さんかく(美容院でパーマとカット大失敗した話)
久しぶりにパーマしたろ、ついでに前髪もオンザしたろと思い立って美容院へ。
初めて行く美容院。
WEBに載せてるヘアカタログもハイセンスな美容院。
こんな感じになる予定だった。脳内では。
前髪もがっつり大胆に切ってもらって浮かれてた。
けど、猫っ毛でコシがなく毛量が少ない私の厄介すぎる髪質が、
この店のハイスペックパーマととんでもない化学反応を起こすという事件が発生し
かかりにくいっすね~て悪戦苦闘しながらもスタイリストさんが全力でパーマをあててくれた結果、
ソバージュ状にちっりちりにパーマがかかってる部分と全然かかってない部分がまだらで出来上がり
全体のシルエットは伸ばしかけの葉加瀬太郎みたいな、
ぱっつん前髪になった美輪さま的な、
とにかく「チリ毛の三角」としか形容できない髪型となってしまった。
今までにも、美容院で「思ってたんと違う」ってなったことはあるし
きっとスタイリストさんも「あ、やべ」って思ったことはあったんだろうけど、
こうも清々しいまでに失敗、どうあがいても失敗、グッバイ髪の毛、という状態に陥るのは初めてだった。
どうにかこうにかブローで挽回しようとしてるスタイリストさんに「なんかブロー難しそうですね・・・」と勇気を出して言った瞬間、
パタリと手を止めて深々と頭を下げられ、「イメージしてたものを再現できませんでした僕の力量不足ですすみません!!」と全力で謝られた。
これ以上パーマでお直ししても髪が傷むだけだから、トリートメントとカットで全力でケアさせていただきますので後日ご来店ください申し訳ありません!と言われ、語尾すべてに「ごめんなさい」「すみません」「申し訳ありません」が付いてると気づいた時、ああ失敗だったのかと悟ったのだった。
目の前の鏡に映る巨大おにぎり風三角チリ毛を直視できなかった。
ただただ、ぶすなくせにオサレ感に惹かれたり、浮かれポンチで前髪に個性を見出そうとしてた数時間前の自分をぶん殴りたかったのだった。
ああ、無難が一番なのに。
でもこの三角チリ毛のまま店の外に出ることはできない・・・!いくら謝罪されても、いくらぶすでもそれはできない・・!と頭を抱えていたら、スタイリストさんがちょっと髪の毛を梳いて形を整えてくれたのだけど(全体的な直しは後日ということで)、
今度はどうみてもメイプル超合金安藤なつですありがとうございました。
えと・・もぅショートでいいです・・・。と伝え、結局ベリショに近いショートカットにして店を出てきた。
ほんと瀕死。
スタイリストさんも瀕死の状態でかけてくれたパーマの部分をほぼほぼ切ることになってしまって、素材も髪質も悪い私がこんな洒落た店に入ってきてしまい、ただただ申し訳ない数時間だった。
気まずさ全開でお店を出て、この美容院に来なければ訪れることもなかったであろう街をとぼとぼ歩く。
星は出ていないがビル群の光が綺麗だ。
出社したらみんな笑ってくれるといいな。
やーそれにしても短かっっ!!!小学生男子やないか。
すっ、涼しいですけど!!!
帰りの電車の中で速攻「美容院 失敗」「髪 切りすぎ」「パーマ 失敗」で検索したよね。
まぁそれも笑い話だ。よし。
ふと車窓を見たら、
セルフ刈り上げしてた頃の智くんの髪型に似てた(ここまで短くないけど)
いっそ光栄です。
ちなみにジャニーズの刈り上げ勢は大好きです。
やすくん翔ちゃん亮ちゃんがわたしの中の三大男前刈り上げだったな❥❥❥
※ネタバレ※【映画鑑賞記録】「シン・ゴジラ」/庵野秀明/東宝
意味もなく有給を取るのが好きです。
というわけで有給が取れたので『シン・ゴジラ』を観てきました。
もぅ、世の男子たちが熱狂している理由がよくわかりました。
百聞は一見に如かず。
好きな監督や役者が関わっている作品ということを抜きにして、観終わった瞬間にもう一回観たいしBD出たらプレミアムBOX(ってあるのか分からないけど)絶対買う!って決心したのは『ダークナイト』以来かも。
無人在来線爆弾とか自衛隊出撃とか高まりポイントもたくさんあったし、
会議のための会議とか会議に出席する人を選定するための(アサインとは言わねーぞ)会議とか、やたら大仰なプロジェクト名とか、とりあえず肩書き集めようとか、すっごく日本を「日本」らしく描いていて苦笑する場面もあったけれど、
一方で知恵と根性と職人魂を持ち寄って、自分のためでなく誰かのために熱く闘う日本人の姿も描かれていて、胸が熱くなった。
どうあがいても絶望じゃないですか。
それを飲み込んで闘う日本人ってめちゃめちゃかっこいい。
そして最後の凍結されたまま佇むゴジラの姿・・・。
国家間のパワーバランスとか、なんらかのメタファーとか、そういうものを深く語れる知識はありませんが、
共存していくというのも一つの答えなのかなと思いました。
それが正解かどうかは20年後にわかる、のかな。
現実も、映画も。
傑作でした!!
モブていうの失礼過ぎるほど一瞬出てくる役者陣豪華すぎ・・・
【読書記録】「破門」/黒川博行/角川書店
8月、夏の一日
そろそろお盆休みを控えたこの時期は、毎年だけど社内にも少し弛緩した雰囲気が流れる。
会社の業務自体も夏枯れ感あるからかな。
9月が来たら年度末まで怒涛の繁忙期がやってくるということは分かっているのだけれど
今はこののんびりとした空気の中でまったりと仕事(してるふり・・?)していたい。
そんなことを考えながらひたすら書類に押印していたら、
となりのシマのエリート&デキリだけが集まる部署(なんでうちの部署と隣り合わせなのか本当にわからないくらい次元が違うやりとりがいつもなされている)
のハイキャリア女子が上司に涙目で食って掛かっていた。
話の内容から察するに、時間をかけて企画準備したものが上司の一存で潰されてしまった模様。
それに対し、なんでもっと早く現状を伝えてくれなかったのか、なんで中途半端な返事でここまで引っ張ったのか、
といったことを涙で使えながらも訴えていた。
彼女の先輩に当たる男性社員が間に入って宥めるも、上司と彼女の言い分は平行線。
どっちが悪いかなど私にはわからなかったが、
必死に涙をこらえながら、震えながらも自分の意見を伝えようとする彼女の姿を見て
羨ましいなって思った。
羨ましいよ。悔しくて悔しくて涙を流せる人が。
それほどまっすぐに仕事に打ち込んでいる人が。
相変わらずハンコを押しながら、わたしにはもうそんな情熱はないかもしれないな・・と思ってしまった。
上司や仕事に思うことはある。理不尽に感じてくっそー!って思うこともある。
でも思わず涙がこぼれてしまうほど、熱い何かを私はまだ持っているだろうか。
職場で泣くという行為の是非は別として、わたしは思わず泣いてしまうほどの彼女の熱さに好感を持った。
心がいつの間にかすり減ってしまうことは怖いこと。
心の中にあるはずの私の何か、甦れ。
元同僚から、第一子出産のお知らせをいただいた。
半年くらい同じチームで働いていて、今は勤務地も離れてすっかり疎遠になってしまっていたけれど。
お子さんに疾患が見つかっていたそうで、無事出産を乗り越えてからの報告にしたとのことだった。
すっかり大人な文章を読み返しつつ、幸せそうな彼の家庭を想像してみる。
そしてこの報告先に私を入れてくれたことを、第一子誕生とともに嬉しく思った。
思い出してくれた。忘れないでいてくれた。
なんだかほっとした話。
とびきり幸せになれよー!
それぞれの夏の日。
【読書記録】「飛田で生きる」/徳間文庫/杉坂圭介
大阪に越してきたばかりのころ、好奇心であの界隈をカメラ片手に散歩したことがある。
阪堺電車の恵美須町方面のロケーションとか、まだカラオケ喫茶軍団が進出する前の通天閣の足元とか。
もうレトロでディープでちょっとだけほの暗い香りもして最高の場所だと思った。
そこに飛田新地という一角があることも自然と知ったのだけれど、もちろん足を踏み入れる勇気はなかった。
ただ、あの有名な「飛田新地料理組合」という看板だけでも見てみたいなあと呑気に思ったりしていた。
そんな興味津々だけど一生足を踏み入れる機会などないだろう場所、飛田新地。
そこで実際に料亭を経営していた著者が、飛田という街のシステムやそこに集う人々の人間模様を経営者の目線で描いた本。
こういう特殊な世界を一歩引いた経営者目線で記録した本というのはちょっとめずらしいのではないだろうか。
閉ざさされた遊郭の街で繰り広げられる悲喜こもごも・・・というよりは、金×金×駆け引き×人間関係という感じ。
正直一瞬を切り取ったこの本だけでそこに生きる人の人生までは分からないけれど、どんな顔をして料亭の玄関に座るのか、どんな顔をして街を歩くのかは想像できる気がする。
そして女の子の世話を焼き、たくましく客を呼び込み、狡猾に図太く飛田の世界で「オバチャン」として生きるオバチャンたちの人生が気になった。
どう生きてどう年をとって、どうしてオバチャンと呼ばれる年齢になって飛田に来たのか。もしくは戻ってきたのか。
飛田のオバチャンを題材にした本、読みたいなぁ。
とっても濃ゆそう。
飛田で生きる: 遊郭経営10年、現在、スカウトマンの告白 (徳間文庫カレッジ す 1-1)
- 作者: 杉坂圭介
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2014/10/03
- メディア: 文庫
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