素描

あわのような思いを記録していくところ

8月、夏の一日

そろそろお盆休みを控えたこの時期は、毎年だけど社内にも少し弛緩した雰囲気が流れる。
会社の業務自体も夏枯れ感あるからかな。

9月が来たら年度末まで怒涛の繁忙期がやってくるということは分かっているのだけれど
今はこののんびりとした空気の中でまったりと仕事(してるふり・・?)していたい。
 
そんなことを考えながらひたすら書類に押印していたら、
となりのシマのエリート&デキリだけが集まる部署(なんでうちの部署と隣り合わせなのか本当にわからないくらい次元が違うやりとりがいつもなされている)
のハイキャリア女子が上司に涙目で食って掛かっていた。
話の内容から察するに、時間をかけて企画準備したものが上司の一存で潰されてしまった模様。
それに対し、なんでもっと早く現状を伝えてくれなかったのか、なんで中途半端な返事でここまで引っ張ったのか、
といったことを涙で使えながらも訴えていた。
彼女の先輩に当たる男性社員が間に入って宥めるも、上司と彼女の言い分は平行線。
 
どっちが悪いかなど私にはわからなかったが、
必死に涙をこらえながら、震えながらも自分の意見を伝えようとする彼女の姿を見て
羨ましいなって思った。
 
羨ましいよ。悔しくて悔しくて涙を流せる人が。
それほどまっすぐに仕事に打ち込んでいる人が。
相変わらずハンコを押しながら、わたしにはもうそんな情熱はないかもしれないな・・と思ってしまった。
 
上司や仕事に思うことはある。理不尽に感じてくっそー!って思うこともある。
でも思わず涙がこぼれてしまうほど、熱い何かを私はまだ持っているだろうか。
職場で泣くという行為の是非は別として、わたしは思わず泣いてしまうほどの彼女の熱さに好感を持った。
心がいつの間にかすり減ってしまうことは怖いこと。
心の中にあるはずの私の何か、甦れ。
 
 
 
元同僚から、第一子出産のお知らせをいただいた。
半年くらい同じチームで働いていて、今は勤務地も離れてすっかり疎遠になってしまっていたけれど。
お子さんに疾患が見つかっていたそうで、無事出産を乗り越えてからの報告にしたとのことだった。
すっかり大人な文章を読み返しつつ、幸せそうな彼の家庭を想像してみる。
そしてこの報告先に私を入れてくれたことを、第一子誕生とともに嬉しく思った。
思い出してくれた。忘れないでいてくれた。
なんだかほっとした話。
とびきり幸せになれよー!

 
それぞれの夏の日。