素描

あわのような思いを記録していくところ

わたしを離して。

一人暮らしをはじめてたった一週間なのに、先の週末にはもう両親による家庭訪問があり、
金ないやろ、ろくなもの食べてないやろ、と言われながら実家に強制送還されていた。

ほんっとに心配性だし、部屋の中の配置やごみチェックに至るまで、母親がああしたら、こうしたらとひどく干渉してくる。
LINEや電話でいつ実家に帰ってくるのか困ってることは無いかとしきりに聞いてくる。

わたしのことを愛してくれているのは分かるんだ。
いままで何もしなかった甘ったれの人間だから一人暮らしが心配なのも分かる。

でもわたしもう三十路だよー!!
どうして放っておいてくれないのー!!!

  

なんだか。母親の愛が重すぎて窒息しそう。

よその家もこんななのかな・・・。
正直、一人暮らしの部屋にいる時が一番ほっとする。
実家にいると息が詰まる。
ちょっと気まずい、とまで思ってしまった。
口に出さないだけで、父の愛もなかなか重い。母と同類だと思う。

   

前に名古屋で一人暮らしをしていたときも、休みには朝から必ず電話がかかってきていたし
いつ実家に帰るのかとうるさかった。
実家に帰ったら帰ったで、なるべく私の滞在を延ばそうとする。
少しでも実家に留め置こうとする。

あのころから何も変わっていないというか、同じことの繰り返しというか。

 

一人暮らしだけではない。
私は旅行が好きなのだけど、一人旅、特に海外など許してもらえない。
だから友達と一緒だよって嘘をついて旅に出なきゃいけない。
旅行するたびに誰と行くのか(名前言っても分からんやろがー)、友達はどんな人なのか、同じ会社の人なのか違うのかなど
根掘り葉掘り聞いてくる。
一人で遠出するというと、可哀相、お母さんついていこうか?などと言ってくる。
(文章にするとまじ病的・・・)

   

一人の何が悪いのか。
一人のどこが可哀相なのかと思う。
でも母親の目には、冴えなくて友達も少なくて(事実だけど)哀れな娘だからせめて自分たちが愛してやらねばという風に映っているんだろうな。

わたしも未だに親に頼っている部分は大いにあるけれど、
親が束縛してくるかぎり、わたしはずっと冴えなくて可哀相で哀れな娘のままで一生を終えてしまう気がする。

     

母親の口癖は「そんなの駄目」「あんたは駄目」「そんなの絶対よくない」。とりあえず否定から入る。
愛をたくさん注いでくれる反面、自分の意にそぐわないものには徹底的に否定するし、自分の意見を絶対の正とする。
それは父親も同じ。いつもは愉快な父親だけど、弱い者の気持ちを分かろうとしないし、自分の意見に頑として固執する。
否定されると逆ギレして怒鳴りまくることもある。
溺愛したり哀れんだり頭ごなしに否定したり、もうわけが分からない。

でも、怒られるのはまだよかった。
親に哀れまれてきたのが一番つらい。
単純明快に愛してほしい人生だった。
丸ごと受け入れて認めてほしい人生だった。

両親が好きだから、子離れしてほしい。
両親の愛は分かっているから、もう十分だから少し放っておいてほしい。

あんたのことを一番に考えてるなんて言わないでほしい。

 

今週末もきっと「給料前だから金ないやろ。帰って来い」って連絡が来るに違いない。
お盆休みもきっと「家族揃わなきゃ」と言ってくるに違いない。
そして家族でドライブとか買い物とか行くんだろう。
両親と私と弟。いい大人の家族がいつまでもべったり。
でも、はっきりと断れない自分もいる。
親が心配だし、親の寂しそうな声は聴きたくないし、両親と弟が好きだし、まだまだ思い出もつくりたい。
でも、私は本当には家族に心を開けていない。
困ったときは家族に頼りたいけど、悩みの相談なんてできない。
本音で語ったことも、もう何年もないかもしれない。

     

この状況が苦しくてたまらない。これって共依存というやつなのか。
毒親関係の書籍を読んでみても、うちのそれとは何か違うと思ってしまう。
毒親とまでは思いたくないというか・・・

はぁ。苦しいよ。
誰かにわかってほしい、この気持ち。
 

わたしはわたしの人生をきちんと生きたいと思った。
精神的にも家族から自立したいと。

これからは自分のことだけを考えて生きていきたい。